授業風景
2023.08.17
今日は、先日の1クラスで行われた「会話」の授業について書いていこうと思います。
「会話」の授業を進めるにあたって学生たちに、あるアンケートをとりました。
それは、「会話」の授業でどんなことを学びたいか、どんな取り組みをしてみたいか。
様々な意見が寄せられましたが、そのなかでも「文法とか発音とか抜きにして、クラスの友達と日本語でディスカッションがしたい」という意見が多く、「ディスカッションをするなら出来るだけ難しいテーマでやってみたい」という意見も出ました。
私自身、この意見について意欲的でとてもいいなと感じ、次の授業ですぐにでもやってみようと思いました。
そして次の「会話」の授業の際、学生たちには「みなさんにはこれから、2つのグループに分かれてディベート(討論)をしてもらいます」と告げました。
学生たちの様子を見ると、「まってました!」という表情の者もいれば、「えー、大丈夫かな」と不安げな者もいて、様々でした。
次にテーマを発表します。
テーマは「AI技術は必要かどうか」。
学生たちの表情が一気に曇ります。
それから、「必要派グループ」と「不要派グループ」にクラスの学生を分け、まずはグループ内での意見交換。
どうして「必要」だと思うのか、「不要」だと思うのか、相手を論破できるだけの理由を考えなければなりません。
グループ分けは、あくまでこちらが行ったので、本人の意志とは無関係。
学生たちも頭を悩ませながら、知っている・使える日本語で一生懸命にグループのメンバーと意見交換します。
ただ、そこはさすが1クラスの学生。ディスカッションに慣れてくると、スラスラと日本語でグループメンバーと会話していました。
そしてグループ内での意見交換の時間は終わり、いよいよディベートの時間。
グループ同士で机を向かい合わせ、いよいよ討論開始です。
まずは、「必要派」の代表が意見を述べます。どうもこのテーマについてはAIの利点が多いこともあり、「必要派」の意見が多くでました。
やはり「利便性」についての意見が中心となりました。
次に「不要派」の意見。AIを利用することのリスクを中心に、今の仕事が確実に減っていくなどのデメリットを述べていました。
意見を述べたあと、それに対する反対意見を言うことができる時間を設けたのですが、それがとても白熱した時間で、学生同士かなり盛り上がっていました。
普段の授業では大人しい印象の学生が、勢いよく発言している姿には驚かされました。
結果的には「ルールを整備し、その後利用すべき」といった形で意見がまとまりました。
授業後、「とても楽しかった」「こういう討論をしてみたかった」という意見が寄せられ、こちらとしてもやってよかったと思えました。
また機会があれば、こういった活動をしてみたいと思っています。