第3回教辞苑編集会議
2019.08.27
「この一冊を紐解けば、プロ野球のすべてがわかる。
そんな究極の野球辞典『球辞苑』の編集作業が今、急ピッチで進められている」
とは、NHKのBS1で放送中の「球辞苑」という番組の冒頭の決まり文句。
番組名は『広辞苑』を捩(もじ)ったもので、毎回野球に関するキーワードを一つ取り上げ、
それを多角的に掘り下げ辞典のようにまとめる、野球好きによる野球好きのための番組です。
テーマとなるのはニッチな用語が多く、それ故この番組以外では決して得ることができない
知見に満ちているということで、現役の選手やコーチなどにもファンが多いのだとか。
元球児の私もこの番組が好きでよく観ているのですが、ある時、閃いたのです!
「この手法は日本語教育(当校の定期勉強会)にも応用できるのではないか!?」
ということで昨年の6月、教師陣が一堂に会するスタッフ・ミーティング内の勉強会で、
「第1回『教辞苑』編集会議」を開催、その模様はすでにお伝えした通りです。
前置きが長くなりますが、ここで『教辞苑』について再度ご説明します。
先ほどご紹介した「球辞苑」冒頭の文句を捩れば、最終的な到達目標は、
「この1冊を紐解けば、日本語教育のすべてがわかる。そんな究極の教育辞典」の完成。
でも現実的には、「指導書や研究論文やセミナーなんかでも扱われないテーマを毎回取り上げ、
当校の教師陣の経験や工夫や知識を活字にしてまとめ共有しよう」と、このぐらいですかね。
第1回目(昨年6月)のテーマは「授業開始5分」と「当て方」、
第2回目(昨年10月)は「練習B」と「生教材」でした。
そして第3回目となる今回(7月3日)のテーマは、熟考に熟考を重ねた結果、
「書画カメラの活用」と「叱る」の2つとしました。
〈編集会議中、ちなみにこのグループの先生方はみな同姓!〉
当日の流れは以下の通りです。
①全体を3つの小グループに分ける。
②グループでテーマ1(この日は「書画カメラの活用」)について話し合い、まとめる...約15分
③グループの代表者が全体に向けて成果を発表、その後質疑応答...約10分
④グループでテーマ2(「叱る」)について話し合い、まとめる...約15分
⑤グループの代表者が全体に向けて成果を発表、その後質疑応答...約10分
〈各グループの代表者による発表〉
今回も私は会議には深入りせず、時間管理と写真撮影をしながら全体を眺めていたのですが、
さすがは経験豊富な先生方、様々な意見が飛び交い、また、そのまとめ方も見事なものでした。
テーマ2の「叱る」については、「口で気付きを与えて変化を促すことである」と、
「叱る」の漢字を分解してその定義づけを行ったグループもありました。
あくまで推測ですが、この会だけでもそれぞれに多くの学びを得られたのではないかと思います。
ただ、これは鼻から『教辞苑』という書物を作ることを最終目標にして開催している会議なので、
後日、編集会議での成果をもとに、辞典風にまとめ、『教辞苑』ファイルに加えました。
毎度これだけで満足してしまうのですが、制作の最大のねらいは授業に活かす、ということ。
このことを忘れないようにして今後も編集会議を重ね、頁を増やしていきたいと考えています。
(瀬戸)